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出せなかった勇気と完売と感謝。(工房作りへの道・オープン編)


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こんにちは!

前回、二転三転四転した末、や~っと職場から兼業許可は得られたけれど、
今度は健康診断で引っかかり精密検査を受けねばならなくなった上、
今の職場では兼業認めてもらえそうもないから転職活動も始めちゃって、色々どうしましょう!と、
若干尻切れトンボ気味に終わりましたので、その後のお話を書かせてくださいませ。

まず、検査の結果はセーフ!でした。よかったぁぁ…。
正確に言うと、別の問題が浮上しちゃって、それはそれで放っておけることではなくて
今後どうしたものか考えなくてはならないのですが、メインの精密検査結果に関してはセーフでした。
この精密検査も、歯医者も行けない私ですのでひと騒動(;^_^Aあったのですが、それはまたの機会に書かせてください。

改めて…。

この半月は、転職活動の方でザワつきオロつきゴタつき…でございました。
現職場が、兼業の可否について3度目の交渉後、全く返答してくれなかったため、
見切りをつけてある求人に応募したのが11月半ばの週末。
仕事が終わってから郵便局に駆け込み、特定記録郵便で履歴書を送付しました。
数日後「書類選考通過」の書類が届き、面接となりました。面接日は精密検査の翌日でした。
堅い職場の堅い業務だけあって、中々に重圧感のある面接を終え、
さぁ、これでどうなるかな…と思っていたら…
なんと、面接の次の出勤日に現職場から「兼業許可」の知らせがあった!
何このタイミング…
どうしよう。これで応募先も合格しちゃったらどちらかに決めなきゃいけなくなる…。モヤモヤモヤ…。

そして数日後、ポストに「採用通知」が投函されたのです。
そしてそこから、「迷いの10日間」が始まりました。

やっとのことで兼業許可を貰えた!これは間違いなく喜ぶべきこと。
でも、正直言うと今の職と菓子の仕事を上手に両立させる自信は、ありませんでした(え?)。
まず時間的余裕がないこと。そして、正社員ではないものの、それに準ずる立場にいるため責任は重めでストレスフル。
土日の休みのうち1日は、ひたすらボ~ッとして疲労回復させているのに
そんな状態で兼業での製菓ができるのか?と問われたら、自信はなかったんです。
必死で兼業許可を得ようとしていたくせに、激しく矛盾してるんですが、本心でした。

その点、応募先の雇用条件は、週2日~3日勤務。
「製菓」と両立させる時間的余裕が増える!
元々「製菓をするための転職」だったのだから、とても好都合。
ならば、めでたく採用してくれた新しいところに行けば全て解決と思うでしょう?

ところがですね(^▽^;)、今度は「給与の減少」が心配になってくるという…。優柔不断の権化の私。
何しろ私は、老後ひとりで生きていかねばならない身。
自分の生活費は自分で稼ぐしかない。

“製菓製菓”と言っているけど、全ての作業をひとりで行うのだから、大した数は作れない。
それ以前に、売れるかどうかもわからない。全然売れない可能性も充分ある。
もし製菓が全くうまくいかなかったら、その時支えてくれるのは、やっぱり勤め人として得られる給与所得。
転職先は勤務日数が少ないのだから、当然給与収入はガクッと減るわけで、不安…(^▽^;)
今だって、人が聞いたら「それでよく生活できるね」と思うような収入しかないのに、そこから更に減るのは怖い…。

迷いに迷って、インスタグラムにも「迷」の一文字をアップしたりとバカなことをして
数日うんうん唸った結果、
「退職する場合は最低1ヶ月前に申告」という期限の日を迎え、最終的に「現職場に残る」という決断をしました。
やはりどうしても怖かったのです。収入が激減することが。
製菓の仕事は「やってみたかったこと」だけど、だからと言ってそれが生活の支えになるとは到底思えませんでした。
まだ大学生の次男がいる身として、冒険はできないと思いました。
せっかく兼業許可ももらえたわけだし、今の職場で「できる範囲内で」頑張るしかないと思いました。

そして応募先に連絡し、辞退したい旨と多大なご迷惑をかけたお詫びを告げ、
迷うことから解放され「これで良かったんだ…」と自分に言い聞かせていたのですが…

なんと…応募先が「雇用条件の変更」を提案してきてくれたのです。
えええっ!?どうしよう!

再び迷いの始まりです(笑)
この後応募先は2回も条件を変更してくれ、本当にハゲそうになるほど迷いました。
そして、ここまで配慮してくれたからには応えないわけにはいかない!と思えてきて
(単に、他に応募者がいなかったというのが実際のところだと思いますが(^▽^;))
ついに転職を決心し、新しい職場までの交通手段や、何曜日勤務にしようかなどを考えていたのですが…

そこで息子にこう言われました。

「今の仕事をしながら菓子を作るのは時間的体力的にはキツいだろうけど
キツければ菓子屋は休めばいいだけのこと。余裕がある時だけ菓子を作ればいい」

「転職したら菓子に充てられる時間は増えるけど、減った収入分を菓子で埋めなきゃいけなくなって、菓子作りがノルマになる。
母の性格では、ノルマになった途端菓子作りが苦痛になるのが目に見えている」

はは…よくご存じで (-_-;)

おっしゃる通り、私にとって菓子作りは「作りたい時に作りたいものを作る」から楽しいのであって
「〇〇円売らなければならない」となったら、苦痛になるかもしれません。
「商売をなめるな!甘い!」と叱られるかもしれないけど、今さらかっこつけても仕方がない。
私は菓子作りが「好き」でいたい。「作りたい」と思って焼きたい。
60近い自分が6畳ぽっちの工房でする作業は、「商売」ではなくライフワークだ…。

やっと心が決まりました。
12月4日の金曜日。応募した転職先に改めて応募辞退を申し出ました。
正直に事情を話し、私のせいで求人スケジュールが狂ってしまい、とんでもない大迷惑をかけてしまったお詫びをして
この転職劇は幕を下ろしました。

そして…

そして、翌日12月5日。
ドキドキしながらInstagramで初めての菓子販売の告知をしました。
デビュー作は、私が大好きなダークフルーツケーキ。



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販売告知にどなたからも反応がなかったらどうしようと思うと、怖くてスマホを見ることができず
かといってそこにいると気になってしまうから、投稿後すぐに風呂に逃げました(^^;)
風呂からあがり、恐々スマホを見ると…
ありがたいことに、約1時間の間に予定数を完売してしいて、お断りをさせて頂く方もいるほどの反響がありました。

そもそもの予定数が少ないし、ご祝儀相場だし、商売と呼べるものではありませんが、
充分すぎるほど光栄で、ありがたくて、嬉しい初売りとなりました。

Instagramを見てくださる方の多くは、このブログを見てくださっていた方で、
中には「COOKPAD時代から見ています」と声をかけてくださる方もいます

終わらない試練に耐えられそうもないと思った時も、無謀な挑戦を試みようとする時も、
いつも私を支えてくれるのはこのブログの向こう側にいる方たちでした。

矛盾厨房~ParadoxKitchenを始めて、今年で15年目。
当時は子育て真っ最中で、ハビ・ハル・シオンも元気で、ブログの内容も陽気なものが主でした。
近年は、想定外の苦難が渋滞を起こすほど押し寄せて、愚痴と泣き言ばかりになってしまいましたが
本心を隠さず書けたおかげで、心が救われたと感じています。
このブログがなかったらどんなに孤独だっただろうと思うし、ここまで来られなかったでしょう。
お菓子ブログでなくなってしまったのに、見捨てず覗きに来てくださった皆さまには感謝しかありません。

これからも、進んでは戻って横道に逸れて…は変わらないと思いますが
細く、長く、お付き合い頂けたら幸いです。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!

そして

いつも本当にありがとうございます(* ´ ▽ ` *)



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