栗の渋皮煮

毎年、秋の声をきくと『作りたい病』に襲われる。
林檎、かぼちゃ、サツマイモ・・・魅力的な食材たちが旬をむかえ
八百屋の店先で立ち止まっては「パイ!タルト!プリン!」とウキウキする。
中でも一番『作りたい衝動』を抑えられないのが栗。
本当に美味しい時期が短いから、という理由が大きいが、
あの、「剥くのに2時間、煮上げるのに2日」という手間ひまのかかる工程が何故だか大好きで、良さそうな新モノを見つけるとついつい買ってしまう。
やっと煮あがったツヤツヤの栗たちは、眺めてシアワセ食べてシアワセな秋の楽しみである。
◆渋皮煮
栗 2キロ
砂糖 800g~1キロ
重曹 大さじ1×2回
塩 ひとつまみ
1 栗はさっと洗って、熱湯につけて2時間くらいおく。ふやけて剥きやすくなったところで、鬼皮をむく。ここで渋皮を傷つけると後々煮崩れるので丁寧に!
2 剥いたものは水を張った鍋などにさらしておく。全て剥けたら、たっぷりの水と重曹と共に火にかける。大量のアクが出てくるのでそれを取りながら、煮立ったら火を弱めて15分くらい煮る。この時、グラグラ栗を躍らせると皮が破れてしまうので、煮立ったらすぐに弱火に。
3 鍋ごと流水の下で冷まし、残っていた筋や皮を指で丁寧に取る。この時も、キレイになった栗は水を張ったボールなどにさらしておく。
4 全てキレイになったら、再び新しい水と重曹と共に鍋に栗を戻し火にかける。2と同様にして15分くらいで茹でこぼし水にさらす。このあと真水で10分くらいずつ、2回ほどゆでこぼす。1度で充分柔らかい場合もあります。この段階で栗がすっかり柔らかくなれば良い。栗によって堅さが違うので竹串などで確認しながら、堅くなく、そして煮崩れることもないように煮る。
5 味を含ませていく。鍋に栗がかぶるくらいの水砂糖の半量と栗を入れ紙フタなどをして火にかけ、沸騰したら弱火で15分コトコト煮て火をとめ、一晩おく。
7 翌日、再び火をつけたら残りの砂糖と塩ひとつまみを加え昨日と同じように15分煮て火をとめる。これで冷めれば食べられるが、半日後にこの工程をもう一回繰り返すと良い。
8 煮上がってすぐは、かなり甘さ控えめで煮汁もサラサラの状態。時間を置くほど栗に甘みが含まれる。シロップだけを別の鍋で少し煮詰めてから栗と一緒に瓶に入れておくと甘みが強まる。好みで洋酒などを加えても美味しい。
保存はシロップにつけたまま、冷蔵庫へ。きちんと煮沸消毒した瓶に詰めたものなら、常温で1年もつ。
※ポイント 【1】良い栗を求める。これが最大のコツ。 【2】買ったらすぐに作業する。 【3】渋皮を傷つけない。 【4】手順3で丁寧に筋を取り除く。 【5】砂糖は柔らかくなってから!