ザッハ・トルテとは?

ザッハ・トルテ
何故か突然食べたくなり、古いウィーン菓子の本を引っ張り出して作ってみた。
レシピを見ながら思うのは、
これがザッハ・トルテであって「チョコレートケーキ」ではないという決め手はどこなのか?ということ。
甘い7年戦争と言われた、デメルとホテル・ザッハの争いのエピソードは有名で、
そんな歴史を持つほどのスイーツとくれば、どれだけ複雑美味なものかと思うけれど
いくつかのレシピ本にあるそれは、比較的シンプルな配合ばかり。
はずせないポイントは多分、そのコーティング部だろう。
正式なものはザラッとした舌触りのチョコレートの糖衣で覆われている。
それはつまり「ほとんど砂糖」で、決してチョコレートではない。
今までに洋菓子店で何度も食べたことはあるし
昔、ウィーンの土産にホテルザッハのザッハトルテを頂いた事もあるが、
確かにどれも、周りはジャリジャリとしたチョコ味の砂糖衣だった。
中は杏のジャムを挟んだシンプルなチョコレートスポンジ。
とにかく、大変に甘かった記憶がある。
無糖のホイップクリームと濃い目のコーヒーが必須!というインパクトある甘さだった。
普段、チョコレートケーキというと、生地に贅沢にチョコレートを溶かしこんだ
フランス式のいわゆるガトーショコラがすぐに思い浮かぶし、好みでもある。
それと比べると、少々古臭いというか伝統的というか、今一つインパクトに欠けるケーキという気がする。
だが何故か、ふと急~にそんなザッハトルテが食べたくなってしまったのだ。
その明確な定義も分からぬままに。

そして出来上がったのがこれ。
糖衣は、大理石の上ですり伸ばす…なんて芸当はできるわけもなく
単純にチョコレートを溶かしたシロップを煮詰めただけ。
固まるかどうか心配だったが、ちゃんと形になってくれた。
味は…やはり激甘~!
おそらく、コーティングが厚くなりすぎてしまった為だろう。
中心部が微かに窪んだ焼きあがりになった為、そこにたっぷりとチョコの糖衣がたまったのだ。
食べたい!と思ったものの、一切れで十二分に満足し一向に減らないこのケーキ。
長男は薄く切った一切れを食べて「これ、雪山とかで遭難した時にいいかもね」と。
一切れで数日体力維持ができそうな甘さという意味らしい。
確かにここまで甘いと「もう一切れ」という気分にはならない。
でも、だからといってコーティングをはがしてしまうと、
それはただの「ジャムを挟んだチョコスポンジ」になり、一気に魅力が失せてしまう気がする。
甘~~~い!!もう充分!と思いつつ、
忘れた頃にまたあの頭にキン!とくる甘さを少し味わいたくなる…
それが私にとってのザッハ・トルテのようだ。
話は全くかわって…最近気に入っている動画をおひとつ…。
目が必死で…おかしくてたまりません!
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